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コラム 釣り雑学

週刊つり太郎に掲載された過去コラム

記事一覧

問題は今…

近頃、私の頭の中は交通事故が多く発生している。どうも覚えた事柄が整理整頓されていないため、あちこちでぶつかり合っている。ちょうど倉庫の中に荷物が溢れて、何かを動かそうとしても足は躓くし、どこに置いても次の動きに邪魔になる。そんな状況である。

そんな私の頭に一筋の光を届けてくれる本があった。「思考の整理学」(外山滋比古・著)である。この中で著者は、「忘却が一番大切である」と説く。「忘れる事で頭を整理し、物事がスムーズに考えられるようになる」といった文章に、その通りだと思った。これって何でも言えるのでは?

実は、私の頭を悩ませていないのは、近年のクロの動向でる。活性は鈍い、食い気もそんなにない。全遊動でゆっくりと同調させながら落としているつもりでも食わない。半遊動で食い気のあるクロが浮いて来るのを待っても食わない。磯の上で煮えくり返る頭の中の状況を前文は指している。そんなことでと笑う事なかれ。ストレス発散の場であるはずの釣り場で逆にストレスを抱え込む矛盾に日々悶えていた。全遊動、半遊動、同調、わざとズラす…。立体的な思考の中で私の頭は交通渋滞である。

この季節ならこういった動きをするはず。ここでは釣れないはず。こういった「はず」がつく思考をしていると、こういった状況になるような気がした。まずは初心に返って頭の中を「ゼロ」にすることから始めたい。これはベテランになるほど悩みの種になる。「昔はよく釣れた」などは滅相もない。問題は今どう釣るかだと思った。

  • 2009年11月05日(木)11時09分

秋の夜長に…

日ごとに秋も深くなり、夜には鈴虫やコウロギなど、秋の虫たちが綺麗な鳴き声を聞かせてくれる。今年は心無しか鳴き声の数が少ないように感じるが、小さい秋見つけたとばかりに、思わず聞きほれてしまうこの頃。ちなみに秋の虫は求愛のために鳴いているそうだ。

ここで面白い統計を見つけたのでご紹介したい。およそいると思われる種の数と、発見された種をまとめたデータだ。まずは野菜類。こちらはおよそ50,000種類あるといわれ、そのうち45,000種(90%)が見つかっている。変わって昆虫は8,000,000種類ほど存在するといわれ、そのうち950,000(11.9%)しか見つかっていない。動物は、250,000種いると予測され、115,000種(46%)が発見されている。見つかっていないその内訳の大半は、魚や海の中の生物。それだけ海は深く青い。

ここ数年はあまり見かけた事のない魚も増え、環境の変化を身近に感じるこの頃。未だに「何この魚?」といった場面に出くわすと、ワクワクドキドキしてしまう。波に揺られて育まれた生命が、膨大な時間の中で進化を遂げ、そして命を未来につなぐ。我々釣り人は、そんな海へ釣り糸を垂れる。海の中から見れば、それは蜘蛛の糸と見えるか、別世界への入り口と見えるのか…。

子どもから大人へとなったが、私の知らないことはまだまだある。海を知っているようで実は大半を知らないのが現状だ。秋の夜長に聞く虫の声は、そんな生命の連鎖を想像させた。リンリンとチンチロリンが競うように鳴く。

  • 2009年10月29日(木)10時47分

台風一過秋の空

台風18号が通り過ぎた途端、一気に空が高くなり、朝晩も冷え込み始めた。12日の朝の最低気温は大分市で10度、日田で8度前後と前日から4度も低い気温となった。気象庁の話では、最低気温が8度を下回ると紅葉が始まるそうだ。そうなるといよいよ秋本番。天高く馬肥ゆる秋、古代中国では、秋になると馬に乗って略奪にくる蒙古人をそう言って恐れたそうだが、現在では「馬も肥えるなら、人間も…」と食欲の秋に走る傾向にあるとか…。

さて、海の方も台風一過で2〜3度ほど水温が下がった模様。いよいよ秋磯が開幕かと思われるシーズン。ただし、台風もまだまだ続きそうな気配。十分注意されたし。

先日、横島4番に上礁していた釣り人の話では、「沖からのウネリが横島3番を乗り越えて、4番まで上がって来た時には肝を冷やした」そうだ。米水津の磯は南東からのウネリに弱いが、台風の通過に伴うウネリがちょうどその方角から来るウネリとなる。この日も台風の通過に伴うウネリが入っていたが、まさか3番を乗り越え4番の上まで波が上がるとは…。横島4番は、およそ5mほどの磯である。

暑い夏が終わり、実りの秋、収穫の秋を迎える。もちろん海の魚も活発化する。私は、秋の澄み切った空を眺めながら、大海原で魚と格闘する自分の姿を浮かべる。空の色を映したような青い海からギラギラと輝く魚体が現れる。そんな秋の雰囲気に酔いしれ、ボルデージも一気に高くなる。天高く魚肥ゆる秋、天候に十分注意しながら、この季節を多いに味わってみたいと感じるこの頃である。

  • 2009年10月22日(木)10時18分

危険な魚の回避

先日TVで獰猛魚と紹介された魚がいた。ダツである。この秋大分市内では、ダツの釣果報告が多く、今週号でも数点写真を掲載している。年々このダツが増えていることに心配しているこの頃。

このダツは、キラキラと光るものを小魚の鱗と勘違いして、突進してくることがあり、日本で最も危険度の高い刺毒害魚とダイバーに恐れられている魚。特にナイトダイビングでは、「水中ライトを水平に照らさないように…」と注意を受けるほど。始末が悪いのは、刺さると回転しさらに傷口を広げること。沖縄の漁師の間では、昔から「ダツは鮫より怖い」と言われているそうだ。十分注意されたし。

先日タチウオ釣りをしているとき、エサとなるゼンゴを釣り上げ、活かしておくために、網に入れて水中に下ろしていた。そんなアジを目がけてダツが突進。数匹が網に突き刺さった状態で引き上げられていたそうだ。キラキラ光るゼンゴの鱗に思わず突進して来たダツ。現在60〜70cm級のダツの回遊が多い。

このダツと同じように、南方系に多い魚が年々増えている。見た事はあるが、詳しい生態は分からないこういった魚達に、十分注意が必要だと考える。それだけ今までの海とは異なる環境になっているのだが、釣り人なら知っていても一般の方は知らないことが多い。

ちなみにダツは鋭い小さな歯がザクザク並んでいるので、突き刺さっても無理矢理抜かないこと。そのまま病院に行く事をオススメする。

  • 2009年10月15日(木)09時59分

生物保護支援の是非

一見ショッキングであり、その後ム〜と唸るようなニュースが飛び込んで来た。動物学者のクリス・パッカム氏が、「自然保護論者たちはジャイアントパンダへの支援を断ち、そのまま絶滅させるべきだ」と発言したニュースだ。同氏は「不運なことに、ジャイアントパンダは大きくてかわいいし、WWF(世界自然保護基金)のシンボルでもある。われわれはパンダの保護に何百万ポンドも(何億円も)つぎ込んできた」とした上で、「支援を断つべきだと思う。一定の尊厳をもって絶えるのを放っておこう」と述べているそうだ。

現在、中国南西部の山岳地帯に約1600頭生息している(WWF)と言われるパンダ。この支援が絶たれると絶滅の危険性も高くなるが、この金額を考えると頭を抱えてしまう。人命は地球よりも重い。そのためにいろいろな処置がされているが、パンダへの支援に対する金銭的解釈がその他生物やあげくの果てには人類への処置として行われはしないか…。

10月に入り、本誌もモイカ(アオリイカ)の記事を扱うようになる。ここにいろいろな意味で矛盾を感じるのは本誌だけではないはず。ただし、あまりこれを議論すると、挙げ句の果てに魚釣りはいい事なのか悪い事なのかといった議論まで発展し兼ねない。やはり最終的には生き物の命を捕って喜びを見いだす“悪徳な趣味”だと自戒するべきだと考えるがいかがだろう…。

自然の摂理に任せた場合、パンダはどうなる? 魚は?モイカは? 想像を遥かに超える世界に我々の足は竦む。

  • 2009年10月08日(木)10時53分

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