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コラム 釣り雑学

週刊つり太郎に掲載された過去コラム

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魚毎に異なる価値

今週号でご紹介した大山川のアユは、ものすごい記録物だった。年魚であるアユが尺(30㎝)までに成長するには、自然障害を乗り越え、仲間との生存競争に勝って初めて成立する。そんな魚がもしも自分の竿に掛かったら…。私なら穫れる自信がない。

アユやモイカは、ほぼ1年しか寿命がないが、逆にコイやマダイは寿命が長い魚と知られている。コイは平均で70年、マダイは20年と言われているが、ネットで調べてみると、今までの最高年齢はコイは70年以上、マダイは40年と言われている。

マダイに関しては、昔から養殖魚として研究されているため、いろいろなデータがある。体長は1歳で全長約18㎝、2歳で約25㎝、4歳で約40㎝に成長。それからは徐々にしか成長しないため、1mクラスのマダイとなると、数十年生きてきた魚であることは間違いない。そんな魚たちと竿や糸を通して会話する喜びは、何ものにも代えがたい。それが魚釣りのロマンだと思う。

もう一つだけ追記したい。与えられた条件の中で、過酷なハードルをクリアして、生き延びてきた魚はもちろん凄いのだが、その魚を育んできた自然があることも感謝。大アユと言えば、お隣は熊本県の球磨川が有名であるが、これからは日田の三隈川水系も記憶に留めて欲しい!それほど素晴らしい川を取り戻そうと、地元の漁協を始め、官民で取り組んでいる姿勢が、このような魚を育てた!

  • 2016年10月21日(金)08時59分

釣りという文化

釣り文化というと昔東京湾で行われていた脚立釣りを思い出す。その昔、アオギスを釣るために、干潟に立てた高い脚立に船頭が釣り人を渡す。点々とある脚立に釣り人を渡し終えた船頭は、煙管をくゆらせながら、釣り人の釣れ具合を眺めるといった風景があった。しかし、これも東京湾の埋め立て開発が進むにつれ、徐々に消えていった。今ではアオギスも幻の魚となり、東京湾の脚立釣り文化は途絶えた。

魚が釣れなくなるとともに消え行く釣り文化も多い。大きくは環境的な要因が原因となる。ひとり一人のちからではどうしようもない事柄。これと同じような例は他にもある。タナゴやメダカなどがその代表であり、そのうち海の魚でも同様の現象が起こり得ると考える。

ユネスコが平成21年に発表した消滅の危機にある言語の中に、日本の言語・方言が8 つ含まれていた。言葉も釣りもそれを使う(行う)人がいなければ、絶滅してしまう。釣りはレジャーという位置づけにあるが、もう一つの側面としてある文化に注目すると、その趣も異なる。今貴方が作っている仕掛けも、その文化の先に考案されたもの。その仕掛けに到達するのに何百年も歳月がかかっている。

水面から下は、現代でも想像の世界であり未知との遭遇。それを想像してきた先人たちに脱帽するとともに、それを支える技術が、今のように楽しい釣りの世界を作ってくれている。魚がいる環境を守ることが大前提であるが…。

  • 2016年10月14日(金)09時57分

秋の海と感性

朝晩が涼しくなり、いよいよ釣りシーズン到来! 高過ぎた水温も落ち着き始め、いろいろな魚が活発にエサを捕食するシーズンとなった。1年の中で春と秋は、魚が活発に泳ぎエサを捕食するシーズン。そんな風景を謳った俳句も多く存在する。
〜秋潮の沖の黒さや塩屋閉づ〜 澤木欣一。
〜秋の潮荒磯の牛にきて戯るる〜 富澤赤黄男。
〜波が波生んで秋潮太りゆく〜 塩川雄三。

いずれも秋になって海の様子が変わり豊漁を予感させる様を詠んだ唄。日本人の感性は季節の移ろいを感じとり、そこから生まれる人間の感情を汲み取る。豊作の秋、豊漁の秋を迎えることで、これから始まる長い冬を耐え忍び、翌年の春を元気で迎えたいといった気持ちが伝わってくる一句。

現在でも漁師の間でこの感覚(気持ち)は変わらないのだが、食生活が豊かになり、生活が多様化する中で、一般人が日々の生活で豊作や豊漁を感じることが少なくなった。それだけ自然から遠ざかったと感じるのが寂しい。唯一残されたのは釣りという趣味。この趣味ばかりは自然相手のため、天気や潮、季節の移り変わりを肌で感じ楽しむ。

連続する台風に嫌気が差しているこの頃。久しぶりに海にでかけると、色や雰囲気が随分と変わっていることに気づく。いよいよシーズンの到来。秋のモイカ、アジ、青物、マダイが貴方を待っている!

  • 2016年10月07日(金)12時25分

川は危険?

大野川漁協が主催した「大野川杯鮎CUP」の取材の際、組合長の若松さんとお話する機会があった。若松組合長は、昨年より大野川漁協を大改革するため、経営感覚で組合の運営に当たられている方だ。そんな若松さんの言葉で印象に残ったものがある。「今、組合は高齢化問題の真っ只中です。これからは、遊漁者を準組合員と見立てながら、遊漁者に喜んで頂く河川作りをしないと組合としての運営が成り立たない」。

この言葉は全国の内水面組合の共通の悩み。組合員と遊漁者の境目は網を打つかどうか? でも今の若い世代で「網を打って魚を獲りたい!」と考える方は少ないし、やろうとも思わない。それであれば遊漁者で十分なのである。となれば、積極的に遊漁券を買ってもらおうといった施策をしなければならない。漁協運営の瀬戸際なのである。

今までの漁協の考え方とは明らかに異なる考えに、少々ビックリしながらお話を伺った。そして、今後は第二の大野川漁協が出て来てもおかしくない状況。ようやく漁協が遊漁者に目を向けてくれたといった思いと、今後は漁協と共同歩調がとれるような仕組みが必要だと感じた。最後に、「川は危ない場所なだけでない。日常では楽しく、安らぎを与えてくれるもの。危険だから近づかないといった今の教えでは、川が死んでしまう」という若松さんの言葉が重い。川があって、海があり、沿岸の漁業が潤う。今からの大野川漁協に注目していきたい!

  • 2016年09月30日(金)10時29分

釣りは難しくなったの?

とある宴会の席で、「釣りは難しくなったのか?」といった議題が上がった。各種グレ釣りトーナメントを勝ち上がった経験者ばかりの集まりだったので、いろいろな意見が飛び交ったのだが、私なりにまとめた解釈は以下の通りだ。

全国的に環境の変化の影響で、以前より魚は少なくなっている。それだけに、以前のようには釣れなくなったが、釣れ方はそれほど変わっていない。しかし、より沢山釣ろうと思えば、それなりに工夫しないと釣れない。当然の理由にぶち当たった。全国的にみて魚の数は減少している。これは環境問題や日本の漁業のあり方など、複数の要因でこうなってしまった。個体数が減ると、競い合って食べる必要もなくなる。よって食わせる技術が必要になる。当然難しくなる。でも、これは人より多く、大きな魚を釣りたいといった場合であり、釣ることそのものはそれほど難しくない。

とある名人の言葉が重たい。「皆フカセ釣りって聞くと小難しい釣りだと敬遠しがち。もっと誰でも釣れるよと教えないと面白い世界にならない」。この言葉は我々マスコミにも原因がある。より高度なテクニックを読んで欲しいとばかりに小難しく書いてしまう。反省しなければならない事柄。狙っている魚は変わっていない。それほど魚の性格が変わっているわけでもない。ちょっとの工夫で劇的に釣れる方法をお伝えしなければと改めて感じた日。

  • 2016年09月23日(金)09時39分

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