コラム 釣り雑学
週刊つり太郎に掲載された過去コラム
記事一覧
リスクヘッジ
ものすごい嵐。突風に思わず上半身が仰け反る。春の突風は吹かなくてはならないものだが、それにしても物凄い。2月から3月にかけて荒れた天気が続く。こう続くと、私のフラストレーションも限界に来ている。竿を握って魚を掛けたい。ヤリトリしたい。思いは募るが行けない日が続く。
昨年後半から世界的にも異常気象が続いている。今回の異常気象の原因として注目されているのが、「エルニーニョ現象」「北極振動」「偏西風の蛇行」という3つのキーワードだそうだ。どれもが密接に関係しあって、今回の異常気象をもたらしていると専門家は語るが、気象は全ての人に関係する重要な項目であるだけに、今後どのようになるのか不安がよぎる。
そんな時代背景から「天候デリバティブ」なる金融商品も登場した。気温が高いと需要が増える産業と、需要が減る産業を組み合わせることにより互いにリスクを交換するという原理である。気温に左右されるビール業界は、最高気温が25度以下の日が20日以上だったら一定額が補償されるという契約を夏になる前に行う。もちろん猛暑になれば掛け捨てとなる。このような金融商品の狙いはリスクヘッジとなる。
我らが釣り業界も天候が荒れると、沖へ出港できない日々が続く。リスクが高い。そんな状況を考慮して、こういったリスクヘッジができるようなシステムが構築できるといい。 天気に翻弄される毎日に嫌気がさす。私のフラストレーションもリスクヘッジできないものか…。
- 2010年03月25日(木)10時17分
春の訪れと釣り
我が家の前に黄色の菜の花畑が広がっている。おそらくつくしも顔を覗かせているだろうと思う。春だ、春が来たとなぜかワクワクしてくる。三寒四温が繰り返され、その度に気温も上昇してくる。毎年体験していることなのに、なぜこのようにワクワクするのか…。海の生物も慌ただしくなる頃。3月の下旬からは潮干狩りも解禁となり、乗っ込みのために浅瀬に接岸する魚も増える。花も魚も、鳥も人も春を肌で感じソワソワする。
魚は側線という感覚器官がウロコにある。この側線があるウロコは小さな穴があり、そこから水温や水流などを感じて日々の生活を行っているそうだ。おそらく春もそこから感じるはず…。1年で最も水温が下がるこの時期、安定する水温帯でジッと我慢し、水温の上昇とともに一気に生命を謳歌する。小さな魚が活発になれば、それにつられて大型魚も活発になる。それにつられて釣り人も活発になる。どっちが釣られているのか分からない。
ここで毎年繰り替えされる議論がある。産卵期の魚を釣ってもいいのかという問題だ。これについては魚種によっても異なるし、その釣り環境によっても異なる。近年で言えば、モイカ(アオリイカ)の春の釣りが挙げられるが、これもイカの問題よりも釣り人の意識の問題の方が大きいと解釈している。
春の訪れが三寒四温によってもたらされるように、こういった議論も徐々に賛否を繰り替えしながら、徐々に淘汰されるのか…。今後の動きを注視していきたい。
- 2010年03月18日(木)09時55分
過去最高の参加者
続々と集まる車に少々戸惑いながらも、嬉しい悲鳴へと変わっていった。2月28日に開催された大分県津久見市四浦半島の清掃事業は、第8回を迎えて過去最高の参加者となった。ボランティア掃除、もちろんお土産もなにもない。そんなイベントだが、逆にそれだから意義があるのでは? おそらく、参加した方々の中にも四浦半島のために出来ることがあればとの思いがあったからこそ、直接の行動へと変わったはず。関係者一同で「良かった!」と喜んだ。
人間の行動心理を研究する大学の教授の話では、「人間は前提の条件の中からより良いものを選ぶ傾向がある。だが、時としてその条件をはるかに超える魅力的なステータスがあれば、無償でも奉仕する」とある。今回の掃除に関しては、四浦半島で魚釣りたしたいとの思いが、参加者を着き動かしたのだと考える。
先日、とある会社の社長とお話させて頂いた。その社長曰く「25年ゴルフをやって、シングルプレーヤーになるまでのめり込んだ。その後釣りを始めたが、今となってはもっと早くやるべきだったと後悔している。それほど釣りは奥が深いし、止められない。釣り中毒である」とのこと。いろいろな釣り場へ足を運び、数々の大物を仕留めた御仁であるが、それでもまだ止まぬ情熱に、「なぜそこまで釣りたいのですか?」と伺ってみた。社長曰く、「分からない。だけど前日は眠れないほどワクワクする」。もしかすると、その思いが今回の掃除への直接の要因かも知れない。魚釣りとは、条件を遥かに超えるステータスがあるようだ。
- 2010年03月11日(木)10時05分
解禁日前の我慢
もうすぐ解禁である。3月1日は渓流の解禁日だ。もともとこの禁漁解禁の考えは、資源保護を目的として定められている。各漁協によって日程は異なるが、大義としてはヤマメ(アマゴ)の産卵を暖かく見守り、稚魚の生育を妨げないといったことを目的としている。
「解禁日!? もう渓流には密漁者が入っているので、解禁してもあまり釣れないよ!」とぼやく釣り人がいた。哀しいかな事実であると予測する。とはいえ、そんな人種は昔も今も極一部で、ほとんどの釣り人はワクワクドキドキしながら解禁日を待っている。昔母親に言われた、「我慢」という文字が頭をよぎる。我慢、我慢。これを我慢すれば、楽しい日が来る。どうも遠足に行く前の気分に似ている。
先日、病気を患って入院されていた旧知の方から、「退院して久しぶりに釣りに出かけた。釣れなかったけど本当に楽しかった」と連絡を頂いた。別の知人は、「脳梗塞を煩い好きな渓流釣りに行けなくなったけど、行ける日を夢見てリハビリを行っている」とのこと。皆さん頑張っている。私も頑張らなければと逆に励まされた。
3月1日は、特別な日である。元気を与えてくれる源である。凛とした朝靄に包まれた渓流に、1本の木と化す自分を想像して、また手にするヤマメを想像することで明日への活力がみなぎる。そして、その前には我慢、我慢の2文字。これがあるから解禁日は楽しい。禁漁と解禁とは表裏一体で、これが渓流釣りの楽しみを倍増させている。3月1日、渓流ファンにとっては本当に特別な日が来る。
- 2010年03月04日(木)09時49分
アジが少ない!?
昨年秋から、全国的に問題となっている魚種がある。アジだ。現在では大衆魚の代名詞として知られるアジであるが、このアジがどの海域でも少ないといった報告が多いのだ。「そんなことはない、魚釣りではよく釣れていますよ」と思われる方も多いだろうが、釣り場で釣れるアジは、漁獲高の極一部でしかなく、多くの漁業関係者はアジ不足に嘆いているのが現状だそうだ。
先々週、長崎県の釣具店さんとお話する機会があったが、「アジが釣れなくなった。年によってムラが激しいし、湾の奥部まではめったに入らなくなった」と話す方が多かった。もちろん大分県で毎週情報を追っている本誌なども、同感である。こんなにアジ釣りが難しい釣りであったかと思わずにいられないほど、巡り合わせが悪いと釣れない魚になってきたと実感する。
大分県と愛媛県の間にある豊予海峡でも、同じような現象が見られる。2008年度の漁獲だがでは前年度比で約2割減となり、2009年度もさらなる減少。かなり貴重な魚となっているそうだ。
20年以上前までは、イワシが大衆魚であった。そのイワシも釣れなくなり、現在ではあまり口にしない魚になっている。将来アジがそのような魚になる可能性も否定できない。お隣の宮崎県は、防波堤でアジがあまり釣れない地域である。鹿児島県では、泳がせ釣りのエサにボラの子を使うそうだ。今の海をそのまま子どもたちに引き継ぐ方法を探る必要があるかも知れない。
- 2010年02月25日(木)10時20分
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