コラム 釣り雑学
週刊つり太郎に掲載された過去コラム
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解禁日前の我慢
もうすぐ解禁である。3月1日は渓流の解禁日だ。もともとこの禁漁解禁の考えは、資源保護を目的として定められている。各漁協によって日程は異なるが、大義としてはヤマメ(アマゴ)の産卵を暖かく見守り、稚魚の生育を妨げないといったことを目的としている。
「解禁日!? もう渓流には密漁者が入っているので、解禁してもあまり釣れないよ!」とぼやく釣り人がいた。哀しいかな事実であると予測する。とはいえ、そんな人種は昔も今も極一部で、ほとんどの釣り人はワクワクドキドキしながら解禁日を待っている。昔母親に言われた、「我慢」という文字が頭をよぎる。我慢、我慢。これを我慢すれば、楽しい日が来る。どうも遠足に行く前の気分に似ている。
先日、病気を患って入院されていた旧知の方から、「退院して久しぶりに釣りに出かけた。釣れなかったけど本当に楽しかった」と連絡を頂いた。別の知人は、「脳梗塞を煩い好きな渓流釣りに行けなくなったけど、行ける日を夢見てリハビリを行っている」とのこと。皆さん頑張っている。私も頑張らなければと逆に励まされた。
3月1日は、特別な日である。元気を与えてくれる源である。凛とした朝靄に包まれた渓流に、1本の木と化す自分を想像して、また手にするヤマメを想像することで明日への活力がみなぎる。そして、その前には我慢、我慢の2文字。これがあるから解禁日は楽しい。禁漁と解禁とは表裏一体で、これが渓流釣りの楽しみを倍増させている。3月1日、渓流ファンにとっては本当に特別な日が来る。
- 2010年03月04日(木)09時49分
アジが少ない!?
昨年秋から、全国的に問題となっている魚種がある。アジだ。現在では大衆魚の代名詞として知られるアジであるが、このアジがどの海域でも少ないといった報告が多いのだ。「そんなことはない、魚釣りではよく釣れていますよ」と思われる方も多いだろうが、釣り場で釣れるアジは、漁獲高の極一部でしかなく、多くの漁業関係者はアジ不足に嘆いているのが現状だそうだ。
先々週、長崎県の釣具店さんとお話する機会があったが、「アジが釣れなくなった。年によってムラが激しいし、湾の奥部まではめったに入らなくなった」と話す方が多かった。もちろん大分県で毎週情報を追っている本誌なども、同感である。こんなにアジ釣りが難しい釣りであったかと思わずにいられないほど、巡り合わせが悪いと釣れない魚になってきたと実感する。
大分県と愛媛県の間にある豊予海峡でも、同じような現象が見られる。2008年度の漁獲だがでは前年度比で約2割減となり、2009年度もさらなる減少。かなり貴重な魚となっているそうだ。
20年以上前までは、イワシが大衆魚であった。そのイワシも釣れなくなり、現在ではあまり口にしない魚になっている。将来アジがそのような魚になる可能性も否定できない。お隣の宮崎県は、防波堤でアジがあまり釣れない地域である。鹿児島県では、泳がせ釣りのエサにボラの子を使うそうだ。今の海をそのまま子どもたちに引き継ぐ方法を探る必要があるかも知れない。
- 2010年02月25日(木)10時20分
釣りアパレル元年
今年も華々しく開催されたフィッシングショーOSAKA 2010。各メーカーが今年の新製品をここぞと並べたブースが所狭しと乱立し、釣り人ならワクワクドキドキの空間が広がっていた。中でも異色だったのが、大手総合メーカーのブース。例年なら釣具がところ狭しと並ぶところだが、今年は違った。釣りに出かける服(アパレル)に力を入れ、それを全面に出していたのだ。イエローやピンク、パステルカラーのアパレルがまるでファッションブースを見ているかのようであった。凄い、これを着てみたい。そんな気にさせてくれた。また、他メーカーのブースも、そのメーカー色を出したブースとなり、面白かったの一言につきる。
それこそ数十年前は、「釣りに出かける時は、魚に気付かれないように、自然に溶け込む地味な服装が好ましい」と言われ、イエローのウィンドブレーカーなどを取材で着て行くと、名人たちに白い目で見られたものだ。もちろん、釣りの師匠から教わった教えに従い、ほとんどの釣り人が地味な服装。それが釣り師の隠密スタイルだった。今となってはそれが正しかったのか、どうかも分からないが…。
時代は変わり、各メーカーがこぞっていろいろなカラーを使った服を出す時代となり、その隠密スタイルも影を潜める形となった。また、女性アングラーが年々増えていることを考えると、当然の流れだとも感じる。
最後に、メーカーさんに言いたい事がある。女性用の磯ブーツのサイズを増やして頂きたい。知り合いの女性が困っています。その女性が釣りに行けないので、私も困ります。
- 2010年02月18日(木)12時54分
釣れない君
サビキ釣りをしていた。釣り場には私ともう一人、うっすらと白髪の混じった男性だ。「釣れますか?」と声をかけると、「ぼちぼち…」との返事だった。しばらくサビキを上下に揺らしてみるが、一向に魚信がない。隣の男性はぼつぼつと釣れる。我慢できずに再度声をかけると、「釣れるけど食いが悪いな〜。ハリを6号から5号に落としてようやく掛かり始めた」とのこと。たった1号くらいの違いで何が変わるか! と私はその話を無視して釣りを続けたが、やはり釣れない。隣の釣り人には釣れ続く。
厳密に言えば、小さいハリに替えることが正解だったか、不正解だったかは分からない。ただし、結果として釣れていたことは間違いない。そこでハリを替えることで何か分かることがあれば、むしろ替えた方が良かったかも知れない。そういった後悔は、幾度に繰り返される。
釣れない理由には、天気、水温、魚の状態などいろいろな条件が重なり合わさった結果である。ただし、最近は思う。一番の原因は私の思い込みにあるのではないか…。皆さんの思い込みは如何だろうか?
今までの人生にも思い当たる節がある。両親や学校の先生に言われていても、それを鵜呑みに出きずにいた。人生の先輩のアドバイスが、自分には当てはまらないと考えていたのだ。あ〜、魚釣りでも同じ事を繰り返しているとは!魚釣りは人生と同じである。勉強、実践、我慢。その結果として生み出される釣果は何ものにも代え難い。今日も釣れないために、試行錯誤の繰り返しだ。
- 2010年02月11日(木)09時54分
寒バエ釣りの心境
近ごろはあまり見かけなくなった寒バエ釣り。この時期の川は、水温5度前後になる極寒の世界。放射冷却で地表が冷え込むと、却って川の水温の方が高いため、朝靄の中で川面からうっすら蒸気が立つ。そんな中に1本の木となり竿を振る姿はなんとも様になっていいものである。清廉潔白とも言える川から、キラキラと光るハエが上がると、川から宝ものを拾い上げたような感覚が味わえる。それが寒バエ釣りだと思っている。
「寒いから面倒だ!」という釣り人がいたが、どうもそれでは納得がいかない。現にモイカ釣りやアジ釣りの方は、氷点下になっても通っている。どうも、ハエという魚に馴染みがなく、釣り上げても美味しい食べ方が分からないのだろう。また、小さい魚であるが故に、他の人への自慢としても少々物足りない。そんな理由で寒バエ釣りが少なくなっているのではと解釈しているが、皆さんはどうお考えになるか?
昔とある名人がこんなことを呟いた。「アラスカのキングサーモンも釣り上げたし、太平洋のカジキも釣り上げた。いろいろな魚を釣り上げたが、夏はアユ釣り、冬は寒バエ釣りが一番面白いと改めて関心した」そうだ。つまり、究極考えると魚釣りは大きさではなく、その釣り味やそのムードが大切なのだそうだ。さすが心境も名人級である。
2月を迎えると、寒グロはもちろん寒バエも本番となる。たまには、川に足を浸して自然の一部になってみるのもいいのではないだろうか。寒さの中に何が見えるか…。
- 2010年02月04日(木)10時10分
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